2004年度受賞作品
今回の作品テーマ『都会のNIWA』『ガーデン』等を提案、表現する作品等としたところ、ガーデン部門22作品、フラワーガーデン部門3作品、ベランダ(バルコニー)ガーデン部門9作品、計34作品の出展があった。
ガーデン部門
題:にわ -幻想-
(有)あかざ [千葉県旭市]
神秘的とも云える自然の生命力を巧みな技術力で表現、今回のテーマ『都会のNIWA』とは少し逸脱した感があるにも拘らず、百年、千年と変わらず繰り返される壮大な自然の普遍性・深層性を創造した発想力・技術力はテーマの枠を超え、我々都会に住む人々に「自然の尊さ」を強烈に訴えかける作品となっていることが高く評価された。
題:月の庭「三日月」
小杉造園(株) [世田谷区]
日本の文化芸術の歴史に最も深い関係のある『月』をテーマにしたこの作品は、現代人の心を掴む「水」「石」「竹」その他の草花や植物を都会的センスで配した独創的なデザインと卓越した技術力は魅力的で若々しく、その将来性が大いに期待される力強い作品となっていることが高く評価された。
- 銀賞 「にほんの庭」 西武造園(株) [埼玉県所沢市]
高度化した都会で活動する人々が誰でも感じる「故郷の懐かしい風景」を柿、漆喰床、縁側、庭先に咲く秋草などによって凝縮された庭として表現、その繊細な「納まり・出来栄え」が高く評価された。 - 銅賞 「夢想いの庭(ゆめおもいのにわ)」 to the garden[世田谷区]
樹木・植物の配植と木材(デッキ)・アイアン・ステンレス等のテクスチャーが見事に融合した都会的・現代的なセンスのデザインと丁寧な仕事が評価された。 - 奨励賞 「『MACHIYA』」 (株)高崎松風園 山口俊輔 [群馬県高崎市]
「まちや」をテーマにした作品は、計算し尽くされた空間構成で路地待合をよく表現した秀作となっているが、建築物が目立ちすぎることで奨励賞に入賞となった、しかし、その高度な技術力は高く評価されていた。
フラワーガーデン部門
題:Chat Chat at the Garden
(株)高崎松風園 佐藤紘子 [群馬県高崎市]
現代のガーデニングデザインを代表するような秀作、巧みな空間構成と植物の配植・カラーコーディネイトによって見事に表現されており、都会生活者が一度は作ってみたい「我が家の庭」を提案する事例として高く評価された。
ベランダガーデン部門
題:噴水のあるバルコニー
小杉造園(株) [世田谷区]
乾ききった都会のマンション生活者が「こんなことが実現できるのか」と思うような魅力的な提案が限られたスペースの中に表現された秀作、荷重など建築物内に作る庭園の制約をも考慮された技術力も評価された。
- 銀賞 「ハンモックでお昼寝タイム」 東京都立園芸学校定時制専修生 [世田谷区]
殺伐とした都会の中で「癒し」「ゆとり」を満喫できる空間を提案、ほのぼのとした優しい発想力が評価された。 - 銅賞 「+1room」 (株)日比谷アメニス[港区]
「西洋+アジア」を融合したデザインによって、室内空間とベランダを連続した空間として一体感を持たせようとしたシンプルで洗練されたデザインが評価された。
(講評:ガーデン部門委員長 菊地謙二)
コンテナガーデン部門
題:サマーメモリーズ 『心の宝物』
松本典子 [横浜市]
全体1m×1mのスペースを良く理解した作品。デザイン性も高く、植栽技術も高度で、大中小のコンテナの組み合わせも良い。花色も美しく、最高賞に値する作品。
題:秋想う
奥村晴樹 [千葉県野田市]
大小2個のコンテナのコンビネーションはとてもバランスが良く、植物も色々取り合わせ良く入っている。繊細さもあり、ボリュウムもあり良く出来た。
- 銀賞 「秋風のトライアングル」 石井治子 [埼玉県和光市]
三角形のコンテナに秋色の植物をまとめ植えていて良い。実物(みもの)、つた、花物とそれぞれの特徴を生かして洒落ている。 - 銀賞 「信州・里山の秋」 柳澤三千子 [長野市]
1輪車をコンテナに見立てた作品。デザイン的には目新しさはないが、大きくきれいに植えてある。色彩のきれいな作品になった。 - 銅賞 「秋の訪れ」 板橋康子[横浜市]
枝を巻いたコンテナと背景のトレリスが全体をまとめている。花の取り合わせも、紫・黄・ピンクと秋なりの華やかさがあり、周りにまいた木の実や枯葉も良い。 - 銅賞 「あこがれの椅子」 渡辺さくら[杉並区]
コンテナに入っていないが、雰囲気があり、これが次のコンテナに活かされると良い。 - 銅賞 「「小さい秋」」 須藤ひろ子[千葉県流山市]
和篭に入った寄せ植え。いけばな風であるがきれいに植えてある。 - 奨励賞 「ニワトリのいる庭」 沼尻將惠 [栃木県足利市]
ニワトリ型の素焼きコンテナを使った作品。視点が庭鳥で、草花とマッチする。コリウス等、カラーリーフの植物がきれいに入っている。 - 奨励賞 「緑の噴水」 手塚八洲代 [横浜市]
ヨーロッパ調の石のコンテナを重ねて噴水風に、緑の葉物をこぼれる様に植えてきれいである。
(講評:コンテナガーデン部門委員長 松田一成)
ハンギングバスケット部門
作品は、秋のイメージを意識してか、ベニセダムの銅葉色やアカバセンニチソウの鮮紅色をうまくカラーコーディネートする傾向があった。一方、この季節の草花、ジニア、ランタナ、メラストマなどをうまく組み合わせた一般受けする作品など、バラエティに富んでいた。
題:「秋の光に映えて」
安田秀子 [川崎市]
ヘミグラフィス、ヒューケラなど、渋い色合わせをうまくコーディネート、バックにアンティークレンガを貼り付け、ひときわ目立つ演出で注目を浴びた。
題:紅の秋
宮田はつ美 [埼玉県鴻巣市]
タイトルの「紅の秋」にふさわしく、ごくありふれたカラーリーフの組み合わせが抜群で、見る人の足を止めた。
- 銀賞 「哀愁」 宇野知恵子 [東久留米市]
- 銀賞 「秋色に魅せられて」 板橋康子[横浜市]
銀賞の作品2点は、コリウス、ライム葉のゼラニューム、ランタナなどで、カラーリーフ中心の中に、わずかランタナ、ジニアが顔をのぞかせ、効果的に使われていた。 - 銅賞 「光さす庭」 長堀英子[武蔵村山市]
- 銅賞 「秋華(シュウカ)」 坂井麗子[三鷹市]
- 銅賞 「輪舞(りんぶ)」 大庭いち江[八王子市]
銅賞は、ともに銅葉系の葉物を中心に、きわめて渋い色合わせで、深まる秋を感じさせるものがあった。 - 奨励賞 「秋想い」 沼尻將惠[栃木県足利市]
- 奨励賞 「秋彩-都市の一隅-水」 和田知久[杉並区]
- 奨励賞 「秋映え」 柳沢美由紀[大田区]
- 奨励賞 「秋月」 善本久美子[調布市]
- 奨励賞 「小春日和り」 宇野知恵子[東久留米市]
- 奨励賞 「ラテンパープル1st」 川嶋順子[北区]
(講評:ハンギングバスケット部門委員長 坂梨一郎)